【錦織圭という奇跡】ウィンブルドン特集 優勝賞金48億5000万円!! 「世界で1つだけのセンターコート」
「ウィンブルドン 優勝賞金48億5000万円!!」
middle sundayの本日、4回戦までを終えたウィンブルドン2015を振り返る。
”やはり限界だった錦織圭”
芝前哨戦であるゲリーウェーバーオープン準決勝を、ふくらはぎの負傷で棄権した錦織選手。ウィンブルドンには間に合うという情報がNHKニュースでも実しやかに流れた。
しかし、蓋を開けてみれば1回戦でS・ボレッリ戦がフルセットまでもつれる展開になり、ゲリーウェーバーオープンで負傷したふくらはぎがやはり悪化した。第5セットでは、メディカルタイムアウトを要求し、ハイソックスのようにふくらはぎを包帯で固定するシーンが国際映像で流れた。(この姿はゲリーウェーバーオープン準決勝のセッピ戦で見ていたので、「終わった…」と思わずにはいられなかった)勝利後のインタビューで足の具合を聞かれ「多分大丈夫だと思う。ダメでも言わない」と発言した。試合終了後にも、ネットに手を付き、顔を歪めながらアキレス腱を伸ばす姿が見られた。
結局、2回戦S・ヒラルド戦を棄権した錦織選手。
今年は全豪・全仏とベスト8進出を果たしており、ウィンブルドンでも同様の結果が最低限求められるものだったはずだ。結果は、2回戦棄権。前回、トッププレイヤーの超過密日程について、その凄さと危険性を考察したばかりだった。
クレーコートシーズンの躍進の副産物として、いつ怪我をしてもおかしくないような状態になっていたのだろうと今になっては思う。どれほどの試合数をこなしていたのかは、上のエントリーに書いたことなので、重複はしないが、錦織のラリー中心のプレースタイルとサービスエースやサーブ&ボレーが少ない試合展開は、股関節やふくらはぎに多くのダメージを残してきたことは間違いないだろう。
先日のNHKスペシャル「錦織圭の道」(うる覚えだが)では、腰にバンドをつけて負荷トレーニングをしていたが、フィジカルは急激には変化しない。
”ジョコビッチが生み出したウィンブルドンへの1つの正解”
ここで、グラスコートシーズンの1つの回答と呼ばれているジョコビッチの選択を紹介したい。全仏オープンの1週間後、ドイツ・ハレとイギリス・エイゴンでATP500の大会が開催される。フェデラー・ナダル・マレー・ワウリンカなどのトッププレイヤーが参加する中、ジョコビッチだけは芝への練習に終始するというのが決まりとなっている(ちなみに練習風景をfacebookにアップすることもお決まりだ)。
そして、昨年のウィンブルドンの覇者は彼だった。つまり、ハードな全仏までのクレーコートシーズンを終え、中1週間でATP500の大会を戦うというスケジュールが、誰にとっても特に試合数の多いトッププレイヤーについては、厳しいということを表している状況でもある。今年もエイゴン大会で優勝したマレーは現在、右肩を痛めているとされているし、フェデラーもフィジカルに不安を残す状態となった。
スポーツにもしを持ち込むことは野暮であるが、もしゲリーウェーバーを回避していれば、錦織選手はウィンブルドンのセカンドウィークを今年は体験できたのではないだろうか?
そして、明日から始まるセカンドウィーク。ベースライン付近の芝が禿げてきた。今年は誰が手にするのだろうか?ウィンブルドンのベランダに現れるのは?今年もやはりジョコビッチが勝つのだろうか?その回答を見届けたいと思う。
おまけコラム
「世界で1つだけのセンターコート」
ウィンブルドンには19のコートがある。NO.1~No.18までコートがあり、大会運営者の判断によって、より重要だと考えられた試合がより小さい数字のコートで試合をすることになる。No.2コート以上がスタンド付きのスタジアム式になっている。錦織は初戦をNo.1コートで戦った。
そして、ナンバーのつかないコートが1つある。それが「センターコート」だ。グランドスラムの大会会場には、それぞれ名高いセンターコートがある。全米の「アーサー・アッシュ・スタジアム」、全仏の「フィリップ・シャトリエ」、全豪の「ロッド・レーバー・アリーナ」などである。