【錦織圭が全仏2016で負けた本当の理由】錦織VSリシャールガスケ(全仏オープン2016 詳細)
錦織圭選手が日本時間昨日23時から全仏オープンの4回戦を戦いました。対戦相手はフランスのリシャール・ガスケ選手(世界ランク12位)。昨年までは7連敗と、錦織選手が唯一倒せない天敵としていた選手です。今年に入ってマドリッド・イタリア国際と連戦し、克服をしていました。
【錦織圭が全仏2016で負けた理由】
しかし、結果的には錦織選手は4回戦をガスケ選手と戦い、セットカウント4-6、2-6、6-4、2-6で負けてしまいました。ポイントとなったのは、1セット目の4-2と2ブレークアップでリードしたデュースの場面だ。
ぱらぱらと降っていた雨が強さを増し、試合は一時中断した。コートに戻ってくるとレッドクレーのローランギャロスのサーフェイスは湿り気を帯びていた。
ボールの伸びが弱くなり、バウンドをするボールはコートに勢いをより奪われるようになっていた。
また、中断中コーチなどから受けたアドバイスがガスケ選手を良い方向へと連れて行く。「僕はあまりに、ベースラインの後ろに立っていた。そして動きが緩慢だった。コーチに言われたんだ。彼のようなトッププレーヤーに勝ちたいなら、もっとペースを上げなくてはだめだ。そしてもっと強く球を打てと。そうでなければ、マドリードやローマの時と同じ結末になってしまう」。これがこの試合を決めた最大要因だと思う。
つまり、重くなったコートにより、錦織の展開力が縮小した。ガスケはコーチのアドバイスのとおり、強くボールを打つことを意識し、さらにサーフェイスの状況も彼のしたいプレーに適した状態へと変化。リズムは一気にガスケのものとなり、途中1セットを取り返すも1-3でフレンチの舞台を錦織は去ることとなった。
「もっと強く球を打て」
この言葉を言い換えると、「ベースライン際で落ちるような深いショットを打て」だ。彼は、左右に打ち分けるプレースタイルに加えて、中断後、確実にショットが深く重くなった。錦織は結果として前でプレーができなくなる、威力に負けてショットが浅くなることが多くなった。
先々週の2016BNLイタリア国際準決勝の対ジョコビッチ戦の錦織のショットを見てほしい、深く打ち込めている。ジョコビッチ相手に浅いボールは命取りと体で体感しているからだろう。
ガスケ戦では、ショットが浅くなった。もちろん、天候やサーフェイスの状況で錦織が好む速い展開(ラリー5・6本平均でポイントが決まるような)ができないなどの要因はあった。
それでも、深く打ち込むことを怠ったがために今回、ガスケに負けてしまったと思わずにはいられないのだ。